
Touch me!(触れると気づかれます)
主役近影
クロサンショウウオ
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さんすよ
サンショウウオの生活史って複雑。はっきりしないことも多いっす。それだけに面白い分野?
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(くわえてるっ!)
いくら習性っていっても、他の子を食べちゃう子はとても同じ仲間に見えません。何で最初からそんなに大きいの? |
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| どんな生き物? |
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聞いたことがない名前の生物も「魚の仲間(魚類)」と言われると、なんとなく姿や生活している場所も想像できます。どの仲間に入るかはその生物を知る上で大切では?
「サンショウウオ」という名前で想像すると「魚の仲間(魚類)」のようです。でも姿をみると「トカゲの仲間(はちゅう類)」のように見えます。本当はなんの仲間なのでしょう?
わかりやすく言ってしまうと、カエルやイモリの仲間・・・「両生類」です。カエルと同じ仲間ですから、その一生はカエルとよく似ています。有名な「ウーパールーパー」も、同じ両生類の仲間です。しかも、ウーパールーパー(和名メキシコサラマンダー)は「サンショウウオ目(もく)」に入るサンショウウオの仲間です。ちなみにウーパールーパーは商品名で正式な種名ではありません・・・。
同じ両生類でも、カエルとはずいぶんちがう姿です。

サンショウウオってこんな生き物!(左 エゾサンショウウオ ・ 右 ベッコウサンショウウオ)
カエルと違って大人になっても長ーいしっぽがあります
両生類の「サンショウウオ目」とか「有尾目(ゆうびもく)・有尾類(ゆうびるい)」と呼ばれる仲間に入ります
・・・しっぽがあるから「有尾目」・・・
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こっちはカエル・・・両生類の代表選手?
大人になるとしっぽがなくなります
両生類の「無尾目(むびもく)・無尾類(むびるい)」と呼ばれる仲間に入ります
・・・大人になるとしっぽがなくなるから「無尾目」・・・ |
親はゼリーみたいなものでつつまれた卵(※1)を水の中(水域なんて言うこともあります)に産みます。その卵からはオタマジャクシ(※2)がかえります。しばらくするとオタマジャクシに手足が生えてきて、最後は陸上にあがります。陸上にあがった子や大人(※3)は卵を産む時期(繁殖期
はんしょくき)以外、ほぼずっと陸上(※4)で生活します。
カエルなど他の両生類と比べて、日本のサンショウウオは・・・
・「高温に弱い(おおまかに言うと、20℃前後が好き。25℃を越すとグッタリ。・・・飼育するなら、夏、ケースを冷やす工夫が必要!)」
・「成長して陸上にあがったサンショウウオは昼行動しない。(繁殖期以外は、土の中・落ち葉や苔の下・倒木や石の下などに隠れているので、見つけるのは非常に困難。・・・昼見つけるのはまずムリ!)」
・・・そんな特徴もあります。
※1
卵のかたまりを「卵嚢(らんのう)」と呼びます。「卵塊(らんかい)」と呼ばれることもありますが、サンショウウオの卵を指す英語を正しく訳していないような気がします。よほどのことがない限り、一度に二つのかたまりの卵嚢を産むので「一対の卵嚢」なんて言います。たまに「一双の卵嚢」と言われることもあります。下の映像には「アケビ型」「バナナ型」の卵嚢しかありませんが、他にも「コイル型」「ヤマブドウ型」と呼ばれる卵嚢のタイプがあります。「アケビ型」の卵嚢を産むのはクロサンショウウオ、「ヤマブドウ型」の卵嚢を産むのはハコネサンショウウオだけです。
多くの場合、卵嚢は石や水に沈んだ木の枝などにくっつける(粘着させる)ように産み出されます。右下のヒダサンショウウオの卵嚢の一つにご注目下さい。左上の端っこがちぎれたようになっています。この部分は元々、何かに粘着していたと思われる部分で、「粘着端」と呼ばれています(付着端と言うこともあります)。実際、産み出された直後の卵嚢の粘着端はかなりネバネバしてます。
右下の映像のヒダサンショウウオの卵嚢は、コンクリートの側溝の水が集まるコンクリートのマスの中にあったことから、しっかり粘着させる物がない側溝で産み出された後、春雨の増水による「かなり強い水流」ではがれてしまったと思われます。
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クロサンショウウオの卵嚢(4月下旬)
(アケビ型・・・クロサンショウウオの特徴です)
かなり汚れた池。いえ、汚れてしまった池で。 |

ヒダサンショウウオの一対の卵嚢(4月下旬)
(バナナ型) |
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ちなみにここ数年、コンクリートの側溝の中で卵嚢を見つけることが増えました(側溝が多くなった?)。繁殖場所(水場)を求めて移動してきた成体たちが、落ちたり、自ら入ったりして、そのまま産卵した可能性があります(実際そのような成体たちを見かけることがあります)。もちろん普通に沢などで産み出された卵嚢が側溝に流れ込んだ可能性もありますが・・・。
側溝は人間が「土を削らず水を速やかに流すため」に造ったものです。多くの場合、生き物の事は考えていません。急に流れが増すこともあれば水が全くなくなることがある危険な場所でしょう・・・。
サンショウウオの生息地を、生き物への配慮がない側溝などで分断するのはさけた方が良いと思います。ハクバサンショウウオの基準産地白馬村では側溝にフタをつけたりしています。「サンショウウオの移動の妨げにならないようにつけました」と教育委員会の方がおっしゃっていました。研究者の提言(例えば「白馬村湿原調査報告書
1998.12 白馬村湿原等天然記念物研究会・白馬村教育委員会」・・・あっ、この報告書にはハクバサンショウウオの写真や情報がたくさん載っていておもしろいっす。ただよくわからない部分もアリ?他のホームページで指摘があります。・・・素人には判断がつきかねますけど)が生かされたとってもいい例だと思います。「・・・個人の土地だったりしてなかなか完璧な保護はできなくて」とおっしゃっていましたが「なんにもしないよりはるかにすごいっ!」と思いました。
※2
カエルにたとえて「オタマジャクシ」と書きましたが、本当は「オタマジャクシ」ではなく「幼生(ようせい)」と呼びます。
※3
「幼生」が成長して水中から陸上にあがったものを「幼体(ようたい)」と 呼びます。「幼体」が陸上で成長し、子孫を残すことができる体・・・つまり大人の体になると「成体(せいたい)」と呼ぶようになります。「成体」になる直前の幼体(成体になる前年と解釈する方が多いようです)のことを「亜成体(あせいたい)」と呼ぶこともありますが、サンショウウオの場合「幼体」「亜成体」「成体」の区別が難しいことからあまり使われない言葉のようです。
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ハコネサンショウウオの幼生(11月下旬)
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ヒダサンショウウオの幼生(2月上旬)
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クロサンショウウオの幼生(5月下旬) |

クロサンショウウオの幼体(7月下旬) |
| 頭から飛び出たフサフサのエラ(外鰓)がわかるでしょうか(平衡桿は見えません)。一番大きい個体が他の個体を食べてます。よくあることですが、複雑な気持ちです。 |
左の映像からたった2ヶ月で上陸。ぴょこぴょこ動いてかわいい時期ですが、飼育の難しい時でもあります。 |
まとめるとこんな感じです・・・。 |
| 卵嚢 → 幼生 → 幼体 → 亜成体・成体 |
| 水中 水中 陸上 陸上 |
| 主にエラで呼吸 主に肺と皮膚で呼吸 主に肺と皮膚で呼吸 |
流水性の種
卵 嚢 :多くは春(4〜6月)、見られることが多い。
幼 生 :通年水中で見られる。越冬し、翌年・翌々年に幼体になることが多い。
ですから、生息地を見つけることができれば年中観察は可能です。
幼 体 :主に6〜9月頃上陸
亜成体・成体:倒木や石の下・土中に潜む。
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止水性の種
卵 嚢 :多くは初春(1〜4月)、見られることが多い。
幼 生 :3〜7月、水中で見られることが多い。ほとんどが年内に変態する。
幼 体 :主に6〜7月上陸
亜成体・成体:倒木や石の下・土中に潜む。
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※4
サンショウウオは幼生のとき主にエラから酸素をとり入れています。しかし、成長して陸(陸域なんて言うこともあります)にあがると、エラがなくなり主に肺と皮膚から酸素をとり入れるようになります。エラのない幼体や成体のサンショウウオは、基本的に水中では生活できなくなります。無理に水の中に入れたら?(ほとんどが)おぼれて死んでしまいます。「オオサンショウウオ」や、特別な例として「エゾサンショウウオなどで幼形成熟(幼生の形態のまま繁殖できる体になったもの)した個体」は、一生ずっと水中で生活します。外国のサンショウウオ目「メキシコサラマンダーのなかま」は、特に幼形成熟することで有名です。また、飼育が比較的容易なことから日本でも普及しており、「ウーパールーパー」や「アホロートル」という名前で販売されていることもあります。
(サンショウウオ目は、有尾目とか有尾類とも呼ばれます。詳しくは「サンショウウオの分類」のページをご覧下さいませ)
期間限定で成体が水中に入る場合は結構あります。越冬中の「ハコネサンショウウオ」とか「ヒダサンショウウオなどの成体の一部」が、暖かい湧水の奥や泥の中でじっとしているところを見つけることがあります。夏に気温や地温が上がったときなど、一時的に水中に入ったり水辺に集まったりする行動も見られることがあるそうです。(私は暑さから逃げるために水中に入っている成体は見たことありませんが・・・。)また、全ての日本の小型サンショウウオは、繁殖期になると体に変化が起きて水中に入ります。水の中で産卵するためです。
・・・でも、こういった場合を除くと成体が水に入る行動はほとんど見られません。ですから日本のサンショウウオの成体を飼育するためにケース内に水場をつくる必要はないでしょう(床材を充分に湿らせればOK。少しだけ水場があった方が飼育しやすいですが・・・。
成体を水でいっぱいの水槽・・・はい上がる陸のないケース・・・で飼育するとストレスで弱ったり、死んでしまうことが多いようです。繁殖期、水中にいる個体を見て「サンショウウオって水の中にいるんだぁ」と思ってしまう方も多いようです。しかし実際は、ほぼずっと陸上生活です。イモリとは少し違いますね。
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| 豊かな森ときれいな水がないと生きていけない生き物 ・・・人間も・・・ |
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このようにサンショウウオは、「陸」と「水場」がなければ生き続けることができない「デリケートな生き物」です。汚れた土も汚れた水も、サンショウウオの小さな命をすみやかに奪ってしまいます。
空気の状態の変化にも敏感です。気温が長い間上がったままなら、生息地全体が乾いてしまったり、繁殖地の水場が干上がったりしてしまいます。
当然、他の生物とのつながりも大切です。
「敵になるような生き物」が増えれば、生きのびるのは難しくなります。
「餌になる小さな生き物」がいなければ、サンショウウオたちはお腹が減って死んでしまいます。
小さな虫たちは「豊かな森」や「きれいな水場」にたくさんいます。コンクリートやアスファルトで固められた大地や、汚染された土・水場にはほとんどいません。
「住みやすい場所に逃げればいいじゃん?」
・・・サンショウウオは、鳥のように飛ぶことができません。魚のように泳ぐのも苦手です。は虫類のように長い間乾いた場所を動き回るのも苦手です。両生類の仲間に入りますが、(多くの)カエルほどすばやく跳ぶこともできません・・・。
とっても「静かな生き物」なのです。
・・・サンショウウオは環境の変化に弱い。他の生き物が住みにくい環境では生きていけないし、住みにくくなってもあんまり移動しない(できない)。水と土と空気環境の変化を、ストレートに受けてしまう生き物。
このことから、「サンショウウオが生息している場所は、他の生物にとっても良い環境なんじゃないか?」「サンショウウオがいる場所は、様々な自然環境が(割と)安定しているんじゃないの?」と考えることができます。
サンショウウオは、ある場所の環境が、「生き物にとって住みやすいか・安定しているか」知るための「めやす」となる生き物・・・「環境の指標性(しひょうせい)が高い生物」・・・と言われています。
サンショウウオが生きていけるような環境を守り続けることが、「人間をふくめた、いろいろな生き物を守ること」につながると考えられています。
「サンショウウオってそんなにデリケートなの?」「サンショウウオと自然の関係がよくわかんない!」
・・・そうですね。
ぜひ「How to 観察?」「How to 飼育?」のページをご覧下さいませ!
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